勇壮な技の数々を披露
八王子消防記念会による「はしご乗り」は、八王子の新春を飾る風物詩の一つ。普段はめったに見られない伝統芸能ですが、松の内の7日に八幡八雲神社(元横山町)と子安神社(明神町)、八王子駅北口近くの中町周辺、11日に消防団出初式で披露されます。揺れ動くはしごに登る乗り子と、下で支える鉤(かぎ)持ちとの息がぴったり合ったとき、その妙技はますますさえてきます。
「江戸時代、火消しは高所でのはしご作業を得意とする鳶(とび)職が中心でした。その流れをくむのが八王子消防記念会です。現在は、はしご乗りや八王子市無形民俗文化財の木遣(きやり)など、文化と伝統芸の継承を主に活動しています」と総代を務める吉水利夫さん。
約60人の会員で構成し、そのうち、はしご乗りの乗り子としては9人が現役。それぞれが得意とする勇壮な技を保有しています。はしごの長さは地域により異なり、八王子では長さ4間(約7.2メートル)のはしごを使用し、13人の鉤持ちが支えます。乗り子と鉤持ちの結束が強いほど、上段での演技の見どころも多くなります。
八王子市内で直近に見られる機会は、7日のはしご初乗り。午前10時から八幡八雲神社、11時から子安神社で行われます。この日は、中町周辺で開催の「新春はしご乗りと初春の舞」でも披露されます。出番は午後0時半=駅前銀座通り、0時50分=三井住友銀行前、1時15分=中町公園。1時半=芸者衆による初春の舞。
また、11日午前9時~11時半に八王子市役所北側浅川河川敷広場で行われる八王子市消防団出初式に出演します。分列行進や消防団音楽隊演奏、八王子消防署はしご車演技、華やかな7色の水がホースから飛び出す一斉放水などとともに楽しめます。